醒なる美舞【31】 9 秘密の絆-4
「凄い・・・。」
玲は素直に驚き、称賛した。
「信じられないなあ。美舞先輩に俺の蹴りを完全に受け止められるなんて、思ってもみなかった。俺の方こそ自惚れてたみたいだ。」
「ううん。流石に効いたよ。こんな重い蹴りは初めてだよ。父さんだって、こんなに重い蹴りは放てないよ。」
「それは光栄だな。お世辞でも嬉しい。」
玲は謙虚である。
「マジで・・・。」
「じゃあ、続きを・・・。」
「行きましょうか。」
そういうと二人は互いに左上段回し蹴りを繰り出した。それはお互いの顔面に当たる寸前で、お互いの右腕でガードされた。二人は態勢を立て直し、再び構えた。
「やぁ。」
今度は玲が先に動いた。玲の右正拳が美舞の顔面に迫った。それを美舞は左腕で受け流して、右アッパーを玲の腹部にみまった。玲はそれが当たる瞬間、腰を引いて衝撃を受け流そうとした。しかし、美舞の力は予想以上に強く、防具を着けているにも関わらず、かなりのダメージを食った。
「ま・まいった。」
玲はそう言うと、その場に座り込んだ。
「大丈夫?ちょっと、入っちゃったかな?」
「いや、大丈夫。」
玲は顔を顰めて言ったが、口元は笑っている。
「?」
「嬉しいのさ。美舞先輩の強さは本物だ。」
「そうかなあ。でも、誉められると嬉しいな。」
美舞は照れた。それに対して玲の顔は真剣だ。
「あとは・・・。」
「あとは?」
「力を・・・。」
「!」
「試させてもらわないと。」
「何故・・・。」
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